ダイエット中にこんなNG行動をしていませんか?checkリスト第二弾
2017/04/17

栄養士/フィットネストレーナーシンです
📚詳しいプロフィールはこちら:ダイエット劇的ビフォーアフター【120kg→60kgまでの経緯と体験談】人1人分痩せた方法
今回は前回に引き続き
「ダイエットがうまくいかない」
「リバウンドしてしまった」
「停滞期が一向に打破できない」
という悩みを抱えている方々に向けて「こんな失敗をしていませんか?」ということで、ダイエットcheckリストを紹介したいと思います。
今回紹介するのは「もし一つでも当てはまるなら、ダイエットがうまくいかないのは当然」という基本的な部分になるので、まずは当てはまる項目がないかをcheckしていき、当てはまるものがあれば、すぐに改善していきましょう。
なお、checkリストが結構あるので、何回かに分けて紹介していきます。
★checkリスト第一弾はこちら:checkリスト第一弾
★checkリスト第三弾はこちら:checkリスト第三弾
三大栄養素の「質」を考慮しているか?
第一弾ではPFC比の話をしましたが、三大栄養素は比率だけではなく、「質」にも配慮しなければなりません。
タンパク質の「質」
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類があります。
筋肉を作るうえで優先すべきは動物性タンパク質です。
詳しい説明は省きますが、植物性タンパク質は不完全なタンパク質であり、体内での利用効率が良くありません。筋肉を維持し、基礎代謝の低下を防ぐためには、肉、魚、卵などの動物性タンパク質を中心に摂りましょう。
★タンパク質の詳しい解説:栄養士が教える「正しいタンパク質の摂取方法」
脂肪の「質」
脂肪には大きく分けて3種類があります。
・飽和脂肪酸
・一価不飽和脂肪酸
・多価不飽和脂肪酸
以上の3種類です。この3種類にはそれぞれに異なった働きがあり、どれが良いとか悪いということはありません。重要になるのはそのバランスです。
ダイエットや健康において理想とされるバランスがあります。
飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3
…という比率です。しかし一般的な日本食では多価不飽和脂肪酸が不足しがちになります。
また多価不飽和脂肪酸にはオメガ3脂肪酸という種類があります。青魚に含まれるEPAやDHAがこれに該当するのですが、魚をあまり食べない場合は、特にオメガ3脂肪酸がに不足してしまいます。
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は肉の脂やオリーブオイルなどの植物油から簡単に摂取することができます。
ですので、3:4:3という比率を意識する必要はなく、「飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を少し減らし、その分、多価不飽和脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸)を多めに摂る」という意識が重要になります。
オメガ3脂肪酸の補給源としては、青魚、シソ油、エゴマ油、クルミなどをお勧めします。
ただし、オメガ3脂肪酸は非常に酸化しやすく、酸化してしまうと身体に悪い脂肪になってしまいます。
青魚ならできるだけ刺身で、シソ油、エゴマ油はそのまま飲んだり、ドレッシングとして利用したりするようにしましょう。
炭水化物の「質」
炭水化物を分かりやすく2つに分類するなら「でんぷん」と「糖」に分けられます。
でんぷんとは米やパンなどに含まれる「いわゆる炭水化物」です。
糖はブドウ糖や砂糖のような「甘い」もののことです。
効率的なダイエットを実践するうえで、砂糖のような炭水化物の摂取は控えなければなりません。
理由は別の機会に解説しますが、砂糖がダイエットに良くないことは誰でも理解できるかと思います。ですので、まずは「でんぷん」を選ぶようにしましょう。
「でんぷん」を多く含む米、パン、麺類などですが、これらについても「質」を考慮しなければなりません。
炭水化物食品には「GI値(グリセミック・インデックス)」という数値が設定されています。GI値とは分かりやすく言うと「消化・吸収される早さ」を数値化したもので、高いほど早く、低いほどゆっくりと消化・吸収されるということになります。
ダイエットで重要となるのが「GI値の低い食品=ゆっくりと消化・吸収される食品を選ぶ」ということです。
なぜかと言うと、GI値の低い炭水化物は血糖値を緩やかに上昇させます。すると血糖値を下げるホルモンであるインスリンが持続的に少量ずつ分泌されます。
インスリンは一気に大量分泌してしまうと体脂肪の合成が促進されるので、インスリンを大量分泌させない低GIの炭水化物を選択することが重要になるという訳です。
GI値は各食品に設定されていますが、いちいち覚える必要はありません。次に書く内容だけを覚えておくだけで高GI値食品を低GI値食品に置き換えることができます。
◆高GI→低GIへの置き換え法◆
(左が高GI食品、右が低GI食品)
白米→胚芽米、玄米
うどん→そば
食パン→全粒粉パン、ライ麦パン
パスタ→全粒粉パスタ
なお、果物は低GIのものが多いですが、それは果糖によるものです。果糖摂取の弊害についての説明はここでは省きますが、GI値が低いからと言って、主な炭水化物源を果物にするのはやめておいた方が賢明です。
有酸素運動をやり過ぎていないか?
適切な時間・頻度の有酸素運動はダイエットに有効です。しかし有酸素運動はやり過ぎると、逆に効率的なダイエットの妨げになります。
有酸素運動のやり過ぎによる弊害は以下の通りです。
筋肉の遅筋化
筋肉には速筋と遅筋があります。速筋とは主に筋トレで使う瞬発系の筋肉、遅筋とは有酸素運動で使う持久力型の筋肉です。有酸素運動をやり過ぎると筋肉の遅筋化が起こってしまうのです。
ダイエットを成功させたければ筋肉を落とさないことが重要になります。しかし、筋肉における遅筋の割合が大きくなると、筋肉が大きくなりづらくなり、結果として筋肉が落ちやすくなってしまいます。
「筋肉が落ちる=基礎代謝が落ちる=痩せにくく、リバウンドしやすい体質になる」という流れになるので、男女問わず、ダイエット中に筋肉量を維持することは非常に重要です。
効率なんて考えずに、脂肪も筋肉もを落としてガリガリになりたい場合は別ですが、スマートに効率よく脂肪だけを落としたい場合は筋肉の遅筋化は避けなければなりません。
UCPの減少
UCPとは身体の中にある特殊なタンパク質で、体温をキープし脂肪を燃焼してくれる作用があります。
有酸素運動をやり過ぎてしまうと、UCPは減少してしまいます。すると代謝も落ち、太りやすい状態になってしまいます。
ホルモンの影響
有酸素運動のやり過ぎはコルチゾールというホルモンの分泌を高めてしまいます。コルチゾールは筋肉を分解したり、免疫を下げたりする作用があるので、ダイエットの大敵となります。
また、特に男性の場合は有酸素運動のやり過ぎによる男性ホルモンの低下も無視できません。
男性ホルモンには脂肪を燃焼し、筋肉を増強してくれる作用があります。ですので、男性ホルモンの低下は筋肉増強、ダイエットともに悪影響を及ぼします。
これらの弊害を避けるには「有酸素運動をやり過ぎない」という対策しかありません。
適度の時間・頻度は「1回に20~40分、週に2~4回」。この範囲内で有酸素運動やるようにすれば以上のような弊害は起こりにくいでしょう。
★効率的な有酸素運動のやり方についての詳しい解説:有酸素?筋トレ?ダイエットしたい場合、するべき運動は・・・<有酸素運動編>
極端なカロリー制限をしていないか?
ダイエットにまじめに取り組む人ほど、極端なカロリー制限をしてしまいがちです。
では、摂取カロリーを極端に制限してしまうとどうなるのか?
①極端な摂取カロリー制限
↓
②筋肉量や代謝に関わるホルモン分泌量の低下
↓
③基礎代謝の低下
↓
④痩せにくく、リバウンドしやすい状態
このように、極端なカロリー制限は最悪の結果しか生み出しません。
ここで覚えておかなければならないことは2つ。
1.筋肉量と基礎代謝量は比例する
2.基礎代謝は1日の消費カロリーの60~70%を占める
…ということです。
つまり筋肉量が落ちると、1日の60~70%にも及ぶ消費カロリーのいくらかが犠牲になるのです。
1日単位で見れば大したことはないように思われますが、これが何カ月も蓄積すると、相当な量の消費カロリーを無駄にしてしまうことになります。
「1週間後のデートまでに少しでも痩せておきたい」という場合なら、問題ありませんが、数カ月に及びそうなダイエットを行う場合、極端なカロリー制限はダイエット成功率を大きく低下させてしまうことは間違いありません。
適切な摂取カロリーの設定方法は…
①「推定エネルギー必要量」を把握する
②そこから男性なら-500kcal、女性なら-300kcalを目安にマイナスする
以上の方法で適切な摂取カロリーを設定しましょう。
★摂取カロリーや推定エネルギー必要量についての詳しい解説:栄養士が教える「ダイエットのための摂取カロリーの決め方」
水分は十分に摂取できているか?
水分は脂肪燃焼に直接的に関与する訳ではありませんが、効率的なダイエットには十分な量の水分を毎日欠かさず飲むことは非常に重要です。
なぜなら、水分を多く摂取することで代謝を上げ、結果的に消費カロリーを増やすことができるからです。
水分を摂取すると体温が下がります。すると体内では体温を元に戻そうとする機能が働きます。この体温を元に戻す機能が働く際にエネルギーを消費してくれるのです。
また、摂取した栄養素は体内でエネルギーに変換されるのですが、このときに老廃物が発生してしまいます。この老廃物を体外に排出する主な方法は、尿に溶かして、おしっことして出す方法です。
十分な水分を摂取していると、老廃物を効率的に排出することができるため、体内をクリーンな状態に保つことができ、結果として円滑な代謝を維持することができます。
さらに、普段からよく水分を摂取していると、むくみが解消されるので「見た目」という意味でもスッキリすることができます。
効率的なダイエットのためには…
冬なら体重×30ml以上(体重60kgの場合1.8ℓ以上)
夏なら体重×40ml以上(体重60kgの場合2.4ℓ以上)
を目標にし、1日を通して、少しずつ飲むようにしましょう。
★水分摂取とむくみについての解説:むくみを改善しよう!
まとめ
今回紹介した4つの項目も前回同様、ダイエットの基本的な要素になります。これらを守れていないと、ダイエットの失敗確率はかなり上がってしまいます。
前回の言いましたが、ダイエットを成功させたければ、「行動」よりも先に「計画」です。
綿密に計画を立て、それら全てが上手くかみ合ったとき、ダイエットの成功率はグンと高まります。
ですので、ダイエットが上手くいかない場合は、もう一度スタート地点に立ち返って、一から計画を見直すようにしましょう。
★checkリスト第一弾はこちら:checkリスト第一弾
★checkリスト第三弾はこちら:checkリスト第三弾
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